鬼守の巫女
第十六章 鬼の少女
黒いソファーに腰掛け、目の前のテーブルを見つめる。
ソファーと同じく真っ黒なテーブルの上で、奇妙な猫はピョコピョコと長い尻尾を揺らしていた。
まるでUFOキャッチャーのぬいぐるみの様な黄色い猫。
触り心地もまるでぬいぐるみの様で、表面はつるつるしている。
そっと手を伸ばし、指で猫の頭を撫でると、猫は嬉しそうにゴロゴロと喉を鳴らした。
……可愛い。
不思議な猫の姿に少し癒され、こんな状況だと言うのにも関わらず、自然に笑みが零れる。