鬼守の巫女

「さ、さっき……あの男の子が貸してくれて」

「……瑠愧(ルキ)が?」

その彼女の問いに首を傾げて見せると、少女は手にした猫を見つめて小さくため息を吐いた。

「……ふ~ん」

少女は少し不機嫌そうに猫を眺めると、次の瞬間、ポイッと猫を私に向かって投げた。

猫の体が空中でクルクルと回り、それは重力により地面へと落ちて行く。
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