鬼守の巫女
第十七章 鬼の真実
スタスタと歩き続ける少女の後ろを、少し怯える様に身を縮めて付いて行く。
薄暗く照明の少ない長い廊下はシンと静まり返り、何の生き物の気配も感じられない。
ここに来た時に外から見上げたが、この洋館はとても大きく、そして広い。
洋館の周りは鬱蒼とした森に囲まれ、人々の生活域からは少し離れた場所にある様だった。
……今、走って逃げだしたら……きっと捕まっちゃうんだろうな。
そんな事を考えながら歩き続けると、目の前に大きな扉が姿を現した。