鬼守の巫女

「……なり……たい」

男はそれだけ言うと、そっと少女に手を伸ばした。

男の震える手が少女の白い肌に触れ、少女はクスリと甘美な笑みを浮かべる。

「いい子ね。一つになりましょう。魂の全てさえも」

少女がそう言ってクスクスと笑うと、男が身を起こして少女をベッドに押し倒し、少女はまた妖艶な……しかし少しだけ悲しそうな笑みを浮かべる。

少女が愛おしそうにギュッと強く男を抱き締めると、少女の白い頬を……一筋だけ涙が伝った様な気がした。
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