鬼守の巫女
絡めた小指から微かに感じる彼の温もりに、私の胸がドクドクと高鳴る。
……どうしてこんなにドキドキするの?
優柔不断な自分の心臓を恨みながら、その理由を必死に考える。
……しかし答えは出そうにもない。
考える事を止め男を見つめると、男の真っ赤な美しい瞳が私を見つめていた。
「……約束だ」
「……うん」
男の囁く様な呟きに頷いて返すと、肩に乗っていた猫が嬉しそうに小さく鳴いた。
それと共にそっと窓から空を見上げると、いつの間か雨は止み……漆黒の空に美しい月が浮かんでいるのが見えた。