鬼守の巫女

……これは誰の記憶?

その問いに、自分自身が答えを見つけ出す。

……これはきっと……母の記憶。

あの赤ん坊は……私。

母の意識に私の意識が重なっている。

……どうしてこんな光景が見えるのか。

その理由は分からない。

でも確かに今分かるのは……これは悲しい別れの時だと言う事だけ。

母の心に共鳴するように、私の胸が壊れそうな程、激しく痛んだ。
< 264 / 912 >

この作品をシェア

pagetop