鬼守の巫女

「朝っぱらから大きな声を出すな。耳が痛い」

そう言って小さく溜息を吐くと、男はまた静かに目を閉じた。

「ちょ、寝るな!」

私のその言葉に男はまた目を開くと、面倒臭そうにゆっくりと体を起こした。

男はシパシパと眠たそうに目を瞬かせると、枕元に置いてあった時計を見つめる。
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