鬼守の巫女

「お、起こしてくれたらよかったじゃん」

そう言って非難の籠った視線を男に送る。

「起こしても起きなかったのは誰だ?話している俺の横で勝手にグースカ寝るわ、イビキは掻くわ、寝相は悪いわ……最悪だな。お前の足が腹に飛んで来るわ、イビキが煩いわで……俺が寝たの四時だぞ」

そう言って男は少し冷たい目で私を見つめた。
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