鬼守の巫女

「瑠愧、どうかしたのか?」

その男の問いに、少年は閉め掛けた扉を開くと、コクリと頷いて見せる。

「見張らせていた式神が一族の姿を見たって。何か手当たり次第に探してるみたいだよ。……その巫女様の事」

そう言って少年は私を指差した。

「ほう。一族も捨て身だな。あの街から人が出払えば、それだけ守りも薄くなるというのに」

男は面白そうにニヤリと笑みを浮かべると、ベッドから立ち上がり少年の元へ向かって行く。
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