鬼守の巫女

「おい。聞いているのか?」

男は眉間に皺を寄せ、少し呆れた様に深いため息を吐く。

「は、はい!聞いてます!」

慌ててそう答え男を見つめると、男はもう一度大きな溜息を吐いてから口を開いた。

「昨日、話した結果、巫女……凪の協力を得られる事になった。よって、これから如何にして結界を破壊するのか考えたいと思う」

男のその言葉に、少年と少女は小さく頷いて返す。

「で、具体的には?何か案があるの?」

私のその問い掛けに男は少し考える様に俯くと、それからそっと顔を上げた。
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