鬼守の巫女
「凪にそれを何とかして欲しい」
急に呼ばれた名前に思わずゴクリと息を呑む。
「何とかって言われても……」
困った様に頭を掻いて少年を見ると、少年は考える様に俯き口を開いた。
「凪には悪いけど、皇楼に戻ってもらいたい」
「……え?」
少年はそう言うと、真剣な目をして私を見つめた。
「凪には皇楼の中で、色々とやってほしい事があるんだ。後で説明するけど……」
そこまで言って少年は声を詰まらせた。