鬼守の巫女

「巫女は皇楼に居れば寿命が減って行く。それでも戻る覚悟があるか……と、言いたいんだろう?」

そう言って男は困った様に笑う。

それに少年はコクリと頷くと、窺う様に私を見つめた。

……そっか。

皇楼の結界に、巫女の生命力が注がれている。

そこに戻れば私の寿命も凄い速さで減って行くはずだ。

……そこに戻る。

グッと拳を握り締め、必死に考える。
< 290 / 912 >

この作品をシェア

pagetop