鬼守の巫女
第二十三章 夏の陽炎
そっと空を見上げると、灼熱の太陽が私を照らしていた。
褐色の地面の上で、ユラユラと陽炎が揺れている。
それをボーっと見つめたまま、着ているベストに付いている……猫のバッジに触れた。
猫のバッジは太陽の熱を吸収し、まるで熱せられたフライパンの様に熱くなってしまっている。
心なしか、描かれている猫のイラストが……気だるそうな顔をしている様に見える。