鬼守の巫女

「……おかしいな。来る筈なんだが」

そう言って魏戎は首を傾げる。

「ご飯も食べずにずっと待ってるのに、全然、誰も、なんにも現れないんですけど!」

不機嫌そうにそう言ってプイっと横を向くと、魏戎と魅麗が顔を合わせて困った様に笑った。

「もう少し待って見ましょう。皇町からここまで少し距離があるから、時間が掛るのかもしれないでしょ」

「……分かったよ」

魅麗の諭すようなその言葉に頷いて返すと……そっと空を仰いだ。
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