鬼守の巫女

……この男を信じていいのだろうか。

そう自分自身に問い掛ける。

彼は……鬼。

人間の……一族の《敵》

そんな彼に私の未来を預ける。

……ううん。違う。

彼も同じ。

私は……巫女。

鬼の……彼等の《敵》

そんな私に彼は未来を預ける。

……私達は同じ。

求めるモノは同じはず。

グッと拳を握り締め、それから真っ直ぐに魏戎を見つめた。
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