鬼守の巫女

「ちょ!待てよ!!」

走り去る瑠愧の後ろ姿に小金井さんが慌てて叫び後を追おうとするが、それを木住野さんに腕を掴まれ止められる。

「……稔!?放せって……」

「今は凪様を皇楼へ連れて帰るのが最優先だよ。鬼と戦うのは今じゃなくてもいい」

木住野さんは諭す様にそう言うと、彼の腕をそっと放した。

「……分かったよ」

小金井さんはそう言ってボリボリと頭を掻くと、静かに私を見つめた。
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