鬼守の巫女

「火伏さんは悪くない!私が頼んだの!お父さんに会わせてって頼んだのは私なの!!彼は何も悪くない!!」

そう声を荒げると、朧源はそっと首を横に振って見せる。

「もう決まっている事だ。お前が何を訴えたところで何も変わりはしない」

「そんなの間違ってる!火伏さんは貴方達の仲間なんじゃないの!?私をお父さんに会わせたから死刑?私を守れなかったから殺すの!?」

必死に声を振り絞り訴えると、朧源は浮かべていた笑みを消し静かに私を見つめた。
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