鬼守の巫女

「……凪様」

木住野さんの諭すような囁きに促され、屋敷の入口に向かって静かに歩き始める。

……どうしたらいいの?

その問いだけがいつまでも頭の中を廻り続ける。

……こんな時……どうしたらいいの?

その問いと共に頭の中に優しい父の笑顔と……あの鬼の不思議な赤い瞳が過った様な気がした。
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