鬼守の巫女
第二十六章 偽りの月
木住野さんに連れられ部屋へと入ると、そこには眞水さんが居た。
眞水さんは何かを考える様に窓の縁に腰掛け、静かに空を見上げている。
「困った事になりましたね」
そう言って木住野さんは困った様に笑って首を傾げた。
「どうする事も出来ないさ。俺達には何も出来ない」
眞水さんがそれだけ言うと、暫くの間、沈黙が続いた。
……火伏さんはどうなるのだろうか。
それに……お父さんは?