鬼守の巫女

彼女の消え去った廊下を、眞水さんは少し悲しそうな瞳で見つめると、そのまま立ち上がり部屋の入口に向かって歩いて行く。

「俺は先に行っている」

眞水さんは木住野さんに向かってそう言うと、そのまま廊下の先へと消えて行った。

「あの二人……何かあったの?」

その私の問いに、木住野さんは困った様に首を傾げて返す。

「僕の口からは何とも言えないですね」

そう言って木住野さんは笑うと、それから私の胸元に視線を向けた。
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