鬼守の巫女
第二十七章 悲しき男
そっと目を開くと、そこには眩しい太陽が光っていた。
……まただ。
……また、この場所。
空を見上げたまま眩しい光に目を細めると、遠くから誰かの足音が聞こえて来る。
「遥さま!!」
その声の方へ視線を向けると、そこには眩しい笑みを浮かべて手を振る少年の姿が見えた。
まだ十歳には満たないと思うその幼い少年は、私に走り寄るとゼイゼイと呼吸を荒げたまま、可愛らしい笑みを浮かべる。