鬼守の巫女
「僕もこんな風に空を飛べたらいいのに」
少年は眩しい太陽を見上げたまま小さく呟くと、少し悲しそうに瞳を揺らす。
「遥さま……外の世界の太陽もこんなに眩しいものなんですか?」
「そうね。本物の太陽はもっと眩しくて、今の時期だと焼かれてしまうぐらいに暑いわね」
少年の問いにそう答えると、少年は表情を曇らせ俯いてしまった。
「……行ってみたいな。外の世界に」
少年がそう小さく呟いたその時だった。