鬼守の巫女
第二十八章 月夜の鶴

そっと目を開くと、淡く光る月が見えた。

静寂の中、開けられた窓から微かに冷たい空気が流れて来る。

……私……

頭を押さえたまま布団から身を起こすと、曖昧だった意識が覚醒する。

……また寝ちゃったんだ。

壁に掛けられている古めかしい時計を見ると、時刻は二時を回っていた。
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