鬼守の巫女

淡い月が光る空を、白い何かが飛んでいる。

……白い折り鶴。

空を優雅に飛ぶその鶴を見つめたまま、茫然と立ち尽くした。

紙の鶴は羽をパタパタと羽ばたかせ空を暫く舞うと、それから静かに下りて来る。

鶴を追う様に視線を落とすと、そこには一人の男の姿が見えた。
< 364 / 912 >

この作品をシェア

pagetop