鬼守の巫女
第三十章 土の記憶
「もう嫌だよ!!」
急に聞こえたその怒声に、思わずビクリと身を竦めた。
……ここは?
そっと辺りを見回すと、そこは何かの練習場の様な場所だった。
板張りの床に、壁に掛けられた刀。
その広い部屋の中に、幼い少年の姿が見える。
少年の幼い体には擦り傷や切り傷が至る所にあり、そこから微かに血が滲み出していた。
少年がきつく握り締めている竹刀が微かに震え、少年は険しい顔をして目の前の男を睨みつけている。