鬼守の巫女

地下の駐車場からビルの中に入ると、そこにはどこまでも長い廊下が続いていた。

土室さんを先頭に私、木住野さん、小金井さんと前後を挟まれる形で進んで行く。

「このビルは我々、皇(スメラギ)一族の総本家のあるビルです。ここが我々の本部となります」

土室さんは前を見たままそう言って、長い廊下をスタスタと歩いて行く。

「すめらぎ……一族?」

彼の後を歩きながらそう呟くと、彼は少しだけ私を振り向いて小さく頷いた。
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