鬼守の巫女
「貴女を……守り切れなかった」
彼は震える声でそう呟くと、ギュッと強く布団を握り締めた。
まるで不甲斐無い自分を責め立てる様に、彼のきつく握られた拳がカタカタと震えている。
「き、気にしないでください。私、全然平気でしたし、怪我も一つも無かったし……土室さんが謝る事なんかありません」
そう言って彼の顔を窺う様に覗き込むと、彼は悲しそうに瞳を揺らしそっと顔を上げた。
その次の瞬間、廊下から誰かの足音が聞こえて来る。