鬼守の巫女

「大地さんは動けるのなら朧源様の元へ」

「……分かった」

そう言って土室さんはフラフラと立ち上がると、覚束ない足取りで廊下へと向かって行く。

「だ、大丈夫ですか?まだ休んでいた方が……」

「平気です。凪様のお陰で怪我の治りは早そうですから」

土室さんは私を振り返りそう言って優しい笑みを浮かべる。

「おやすみなさい。今度は……いい夢を」

彼はそれだけ言うと、フラフラと長い廊下の先に消えて行った。
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