鬼守の巫女

「もう一つは七宮拓郎についてです。朧源様の進言で今まで彼は生かされていましたが、一族の権力者たちの中に、七宮を死罪に問いたい者も沢山います。裏切り者は赦してはならない。それがこの一族の絶対的な掟ですから。彼等は捺さんの不祥事についての責任の追求と共に、ここぞとばかりに七宮の死罪も要求してくる筈です」

「そんな!!」

「恐らく朧源様は要求を呑むでしょう。一族の意見を無下にする訳にはいきませんから。それに貴女はすでに一族の手の内に有る。貴女が恨み反抗した所で、朧源様は貴女を無理やり従わせる筈」

木住野さんはそれだけ言うと、真剣な顔をして私を見つめた。
< 402 / 912 >

この作品をシェア

pagetop