鬼守の巫女
「何とか出来ないの!?このままじゃ二人とも……」
そこまで言って残酷な未来から目を背ける様に、声を詰まらせたまま俯く。
「凪様は……どうしたいのですか?」
彼はもう一度最初と同じ質問を私に向けた。
彼の全てを見透かす様な不思議な瞳が、ただ真っ直ぐに私を捉えている。
……そんなの決まってる。
「私は二人を助けたい」
グッと拳を握り締め真っ直ぐに彼を見つめ返したまま答える。
するとその私の答えに彼は納得した様に小さく頷くと、それから私の胸元に視線を落とした。
彼は私のベストに付いている猫のバッチを見つめると、少しだけ切なそうに瞳を揺らす。