鬼守の巫女
第三十二章 木の策略

あれから教室で何でもない授業を受けると、あっと言う間に下校時刻になった。

先生の簡潔なホームルームが終わると、生徒達は慌ただしく教室を出て行く。

「木住野さん。皆、帰っちゃいましたよ」

隣で机に突っ伏して眠る彼にそっと声を掛けると、彼は静かに顔を上げ、キョロキョロと辺りを見回した。
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