鬼守の巫女
「ここが我等の総本家……皇楼(スメラギロウ)です」
そう言って土室さんは優しく微笑むと、小さく頭を下げた。
「待ってよ……全然意味が分からない」
頭を下げる土室さんに小さく首を横に振って答えると、後ろに立っていた二人がクスクスと笑った。
「ま、そうだよね~。なんせ巫女様が俗界に出るなんて前代未聞だしね」
そう言って小金井さんがケラケラと笑うと、土室さんはギロっと彼を睨んだ。
「わ~、怖~い」
睨まれた小金井さんがおどけた様に身を竦めて見せると、隣りに立っていた木住野さんが困った様に笑った。