鬼守の巫女

「ここが我等の総本家……皇楼(スメラギロウ)です」

そう言って土室さんは優しく微笑むと、小さく頭を下げた。

「待ってよ……全然意味が分からない」

頭を下げる土室さんに小さく首を横に振って答えると、後ろに立っていた二人がクスクスと笑った。

「ま、そうだよね~。なんせ巫女様が俗界に出るなんて前代未聞だしね」

そう言って小金井さんがケラケラと笑うと、土室さんはギロっと彼を睨んだ。

「わ~、怖~い」

睨まれた小金井さんがおどけた様に身を竦めて見せると、隣りに立っていた木住野さんが困った様に笑った。
< 42 / 912 >

この作品をシェア

pagetop