鬼守の巫女
「木住野さんの事……信じてみます」
私のその呟きに彼は嬉しそうに顔を綻ばせると、それから深く頷いてくれた。
「僕の言った事、覚えていますか?」
「……え?」
彼に首を傾げて見せると、彼はそっと私の胸元を指差す。
「そのバッジはきっと貴女を守ってくれる。肌身離さず持っていて下さい」
「……は、はい」
気の抜けた返事を返しながら、ギュッと胸元に付いているバッジを握り締めると……バッジから微かに温もりを感じた様な気がした。