鬼守の巫女
第三十三章 裁きの時

キシキシと微かに廊下の板を軋ませながら歩く。

隣を歩く木住野さんは穏やかな笑みを絶やさないまま、そっと私の耳元に顔を寄せた。

「……では、頑張りましょう」

彼はそれだけ言うと、開かれている大きな朱色の扉を抜け、重苦しい空気の中へと入って行った。

大きな扉の前でそっと後ろを振り返ると、焼ける様な赤い空が広がっている。

まるで血の様に赤い空に少しだけ不安になり、ギュッと拳を握り締め小さく息を吐くと、そのまま部屋の中へと足を踏み入れた。
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