鬼守の巫女

「これより七宮の罪状の確定。および火伏当主……捺の処分についての審議を始める」

朧源がそう言って小さく手を上げると、部屋の奥から誰かが歩いて来る姿が見えた。

黒い服を来た屈強な男に、左右を挟まれる様に歩く男の姿が見える。

両手、両足に重たそうな枷を嵌められ、覚束ない足取りでこちらに向かって来る男の姿に、心臓が壊れるほど鼓動を速めるのが分かった。
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