鬼守の巫女

「その罪、万死に値する。その事に異議はないな?」

「……はい」

父が同じ様に小さく答えると、朧源は静かに頷いて返す。

「一級罪人《七宮 拓郎》は死罪を確定する。異議のある者は?」

朧源のその言葉に会場がシンと静まり返った。

……誰も手を上げる人は居ない。

父はこの一族にとって裏切り者。

絶対に赦してはならない罪人。
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