鬼守の巫女
第三十四章 断罪の札
「これより火伏捺の審議を行う」
朧源がそう言うと、黒服の男達はワラワラと集まり、皆に何かを配り始めた。
それはどうやら白い紙のような物で、片面には不思議な模様が描かれている。
「火伏捺は火伏家当主で有りながら規律を破り、更に巫女を危険に晒した。その事実……間違いないな?」
「……ありません」
火伏さんはそう答えると、小さく溜息を吐いた。