鬼守の巫女

「一枚目……丸」

男の声がその残酷な裁きを伝える。

「二枚目……丸。三枚目……丸」

男は休むことなく次々に結果を読み上げて行く。

「八枚目……丸。九枚目……丸」

……今の今まで一枚たりとも《バツ》は読み上げられない。

グッと拳を握り締めたまま、男の読み上げる結果を聞き続けた。

「十七枚目……丸。十八枚目……丸。十九枚目……」

男はそこまで言って、声を詰まらせた。

その瞬間、只でさえ緊迫している空気が、更に重くなる。
< 441 / 912 >

この作品をシェア

pagetop