鬼守の巫女

「四十三枚目……丸。四十四枚目……バツ。四十五枚目……バツ」

続けて入ったバツの票に、思わずポカンと口を開ける。

……一体誰が。

他の代表の中にも反対の人が居るのだろうか。

壇上に立つ火伏さんも少し驚いた様な顔をして、こちらの様子を窺う様に見つめていた。

「四十七枚目……丸。四十八枚目……」

そこまで言って男はまた声を詰まらせ、手にした札を見つめる。

「四十八枚目……白紙。……以上、賛成三十七票、反対十票、無効一票です」

男は朧源に向かってそう答えると、そのまま部屋の奥へと消えて行った。

朧源は男の答えに可笑しそうに笑うと、そのままそっと席を立つ。
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