鬼守の巫女
「投票の結果、火伏家三十八代目当主《火伏 捺》は死罪となった。同罪の七宮と同時刻、刑を執行する。異論はないな?……捺」
「ありません」
朧源のその問いに、火伏さんは初めからこの結果が分かっていたかのようにニヤリと笑うと、ワザとらしく頷いて答えた。
「これにて審議を終了する。以上……解散」
朧源のその言葉と共にガタガタと椅子が床を叩く音が聞こえ、辺りが騒がしくなった。
人々は皆少し窺う様にこちらを見ると、そのまま部屋の外へと出て行く。
それと同時に火伏さんは男達に引かれる様に歩きながら、部屋の奥へと連れていかれてしまった。