鬼守の巫女

「これが戒律を守れない者の末路。俺達はこの一族のしきたりに従って生きなければならない。今日、その事が分かったって事だね」

そう言って小金井さんは小さく手を上げると、そのまま部屋の出口へと向かって歩き出す。

それにつられる様に土室さんも立ち上がると、私に向かって小さく頭を下げた。

「私も失礼します」

土室さんはそれだけ言うと、微かに涙を浮かべる私の視線から逃れる様に、出口へと向かって歩き出す。
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