鬼守の巫女
「何も出来やしない。お前は結界を守り、そして死ぬ。ただそれだけだ」
「違う!!私はそんなものの為に生まれたんじゃない!!」
「違うな、お前はそれだけの為に生まれたんだ。それ以外、お前には何もない。何の価値も有りはしない」
朧源はそう言うと、浮かべていた笑みを消し、そして凍り付く様に冷たい瞳で私を見つめた。
「そうだな。せいぜい今のお前に出来るとしたら……今ここで自害して巫女の血を絶やす事ぐらいか?そうすれば結界は壊れ、少なくとも一族の者は自由になれるのかもしれないな?お前と私、そして当主達はお前と共に死ぬがな」
朧源のその言葉に皆の表情が一気に凍りついた。