鬼守の巫女
「本当の……両親。……お母さんもここに居たの?」
その私の問いに彼は小さく頷くと、私を見つめた。
「巫女を生むのは……巫女のみなのです。先代の巫女様が貴女の母親です」
「母は……死んでいる」
「そうです……だから我々は貴女を探していた。巫女がいなくては鬼を封じる事が出来ない。だから巫女である貴女を我々は決死の思いで探し続けていたのです。そして今日……こうして貴女を取り戻す事が出来た」
……頭が混乱した。
巫女、鬼、証、罪人、母、父……様々な単語が頭の中を飛び交い、必死に状況を整理しようとするが考えは一向に纏まってくれない。
何も言わず俯く私を見て、土室さんは悲しそうな顔をする。