鬼守の巫女
「救いたい……口では何とでも言えるものだ。しかし現にお前は何一つ救う事が出来ない。二人を救う力も無ければ、救う覚悟も無い」
「そんなのは……分かってる。でも私は二人を死なせたくなんかない!!」
そう声を荒げ、強く、強く、拳を握り締める。
……分かっていた。
私には……何も出来ないと。
ただ皆に守られて、いつも誰かに縋って……結局、自分では何一つしていない。
朧源の言葉が痛い位に胸に突き刺さった。
不甲斐無い自分が情けなくて、悔しくて……勝手に涙が浮かんで来る。