鬼守の巫女
「こ、殺しちゃったの?」
ポンポンと服を掃っている魏戎に駆け寄ると、魏戎は小さく首を傾げ、地面に倒れている男の様子を窺う。
すると男は小さく体を震わせながら、微かに呻き声を漏らした。
「俺は無駄な殺生は嫌いだ」
魏戎はそれだけ言うとそのまま扉を押し開き、その中へと進んで行く。
慌てて彼の後を追うと、そこは更に地下へと向かう為の薄暗い階段が続いていた。
……火伏さんにお父さんに会わせてもらった時の場所に似てる。
そんな事を思いながら魏戎と階段を下りて行くと、薄暗い大きな空間に辿り着いた。
それと共に少し不快な臭いが鼻を衝き、思わず手で鼻を摘んだ。