鬼守の巫女

「……ど、どうして彩乃さんが……」

「こっそり持ってきてしまいました。朧源様には叱られてしまいそうですが……私も貴女に賭けて見たくなったのです。貴女の信じる未来に」

そう言って彩乃さんは優しく笑うと、また何かを私に向かって差し出した。

「二人が囚われている牢の鍵です。二人を連れてお逃げなさい。捺さんはきっと貴女の味方になる」

彩乃さんはそれだけ言うと、そのまま私の横を通り過ぎ階段へと向かって歩いて行く。
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