鬼守の巫女
「ジロジロ見ないでよね……気持ち悪い」
魅麗はそう言って、まるで変態でも見るかの様な冷たい瞳で火伏さんを睨んだ。
「はぁ!?」
魅麗のそのつれない態度にカチンときたのか、火伏さんが声を漏らし歪んだ笑みを浮かべた。
「ちょ、ちょっと!!仲良くしてよ」
慌てて二人の間に入り宥めようとするが、二人はフンと小さく鼻を鳴らして勢いよく顔を逸らしてしまった。
……どうやら相性は良くないらしい。
険悪な二人の姿に溜息を漏らし肩を落としたその瞬間、父が何か考える様に険しい顔になる。