鬼守の巫女

「さて……どうしたものか」

魏戎は目の前の彼等を見つめ小さく溜息を吐いた。

「計画じゃこっそり皇楼に侵入してとっとと逃げる予定だったのに!!」

魅麗がそう声を荒げると、瑠愧が何かを探す様に辺りを見回した。

「琥珀は?」

「置いてきた。あの男の足止めに使った」

「そう」

その瑠愧の問いに魏戎が素っ気なく答えると、瑠愧は少し考える様に静かに俯いた。
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