鬼守の巫女

「やはり鬼と通じていたか……稔」

その朧源の言葉に皆が驚いた様に目を見開いた。

……木住野さんが……鬼と通じていた?

そっと後ろを振り返ると、瑠愧を見つめる。

すると私の視線に気付いた瑠愧は、小さく首を傾げて……微かに笑った。

「嫌だなぁ……知っていて何も言わなかったのは朧源様ではないですか」

そう言って木住野さんがニッコリと笑うと、小金井さんは小さく口を開く。

「嘘だろ……稔!お前が鬼と通じていたなんて……」

その小金井さんの問いに、木住野さんは少しだけ悲しそうに笑う。
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