鬼守の巫女
「その証……確かに本物の様だな。鬼守の巫女」
男はそう言うと私から体を離し、また小さく笑った。
ゼイゼイと呼吸を荒げたまま刺し殺せる程に鋭い視線を男に送ると、男は困った様に笑って息を吐いた。
「お前のそんな貧弱な体に興味などない。巫女の証を確かめたかっただけだ」
男はそう言って意地悪そうに笑うと、床に蹲ったままの私に手を差し伸べる。
「一体何なのよ!!意味が分かんない!!巫女って何!?鬼って何よ!!お父さんはどこに居るの!?答えてよ!!」
男が手を差し伸べるのを無視してそう声を荒げる。
すると男は喚き続ける私を見て片眉を吊り上げると、フウっと大きなため息を吐いた。